読書

いのちのパレード

いのちのパレード

読了。
実験的というほどではないが、いろいろなタイプの短編が集められている。あとがきで作者が書いているように、無国籍で不思議な短編集だ。本の表題にもなった同名の短編は開かれているとしか言いようがない。月刊誌に掲載されたときは、何これ?という感じではなかったろうか。
恩田陸の小説をほとんど読んだ者にとっては、作者の引き出しが増えることは先々の楽しみにもつながるが、一方で『光の帝国』のような連作や『チョコレートコスモス』のように読み応えのある作品、あるいは『夜のピクニック』のようにキュッとなるものを読みたいと思うのは贅沢だろうか。
ちなみにこの3作が自分にとって恩田陸Best3だ。