違和感?

いまも「マイルス・イン・ザ・スカイ」を聴いている。内容は挑戦的というか、トンガッているというか、普通のジャズの領域から抜け出ようとしている。
が、ライナーノーツに載っている写真を見ると実にオーソドックスなのだ。5人全員がブラックタイ姿の正装で、手にしている楽器もトランペット、テナーサックス、ベース、ピアノ、ドラムスとまったく普通、由緒正しい(笑)姿恰好なのだ。それがすごく違和感を感じさせる。
しかし、出てくる音は普通ではない。このクインテット中山康樹の言葉を借りれば「ジャズというフィールド内でやるべきことはすべてやった」のだ。次にエレクトリックに向かうのは必然であり、「Bitches Brew」はその集大成ではなくスタートラインだということができる。