読書

白


読了。日本語と英語の両方があるけれど、読み終えたの日本語の部分ね(笑)。
「白」というものについて、いっぱい付箋をつけた。そのなかからいくつか書きだしてみる。
 
・白を感知する感度が上がった分だけ、世界は陰翳の度をも増すはずであるから。
・白があるのではない。白いと感じる感受性があるのだ。
・白に気を通わせることで世界は光を増し陰翳の度を深めるのである。
・白は混沌の中から立ち上がってくる最も鮮烈なイメージの特異点である。混じりあうという負の原理を逆行し、グレーに回帰しようとする退行の引力を突破して表出する。白は特異点の極まりとして発生するのだ。
・白は、混沌の中から発生する生命あるいは情報の原像である。
・混沌は「地」、白は「図」である。地から図を生み出す営みが創造ではないか。混沌たるグレーから白が立ち上がってくるイマジネーションに、世界生成の原像が重なって見えるのである。
・要するに白は感覚の中に湧き起る現象なのだ。
・白は時に「空白」を意味する。色彩の不在としての白の概念は、そのまま不在性そのものの象徴へと発展する。しかしこの空白は、「無」や「エネルギーの不在」ではなく、むしろ未来に充実した中身が満たされるべき「機前の可能性」として示される場合が多く、そのような白の運用はコミュニケーションに強い力を生み出す。
・「白紙も模様のうちなれば心にてふさぐべし」
・白は色の不在であると同時に、空白の象徴でもある。
・白には「空」が、空には「白」が包含されている。
・独創性とはエンプティネスの覚醒力、すなわち問いの質のことである。独創的な問いこそが「表現」と呼ぶにふさわしく、そこに限定された答は必要ない。
・未知化は白に通じている。