グローバル・スタンダード

自分にとって、杉本博司は写真における「グローバル・スタンダード」という位置付けだ。世界的に評価されている日本の写真家は木村伊兵衛植田正治をはじめてとして何人もいるが、彼らは写真の世界の内側においての評価のような気がする。
杉本の場合は、評価の対象が写真であってもその写真は現代アートのように単なる手段ではなく、あくまでも写真が目的であり、その写真で作品を制作することによって写真の「場」を広げてきたと思うのだ。
その彼が森美術館での展示でかかげたキャプションにあった、勇気付けられる言葉。
  I had found a way to see the world as a camera dose.
  However fake the subject, once photografed, it's as good as real.
  わたしは、カメラのように世界を眺める方法を発見した。
  どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ。