2008-11-30 富士山 冬になると東京湾の向こう側に富士山がよく見える。注意して見ているとその下側から飛行機が飛び立つのが見える。真っ白な、ギザギザの富士山を見て思い出すのが草野心平の詩だ。彼の作品に『富士山』というのがあり、その「作品第参」。 劫初からの。 何億のひるや黒い夜。 大きな時間のガランドウに重たく坐る大肉体。 ああ自分は。 幾度も幾度もの対陣から。 ささやかながら小さな歌を歌ってきた。 しかもその讃嘆の遥かとほくに。 遥かとほくに。 ギーンたる。 不尽の肉体。 窅しい白い大精神。