一年

失われた時を求めて』は、いま12冊目を読んでいる。全部で13冊だからあと少しだ。読み始めたのが昨年12月からだから一月に1冊というペースとなる。もちろん同時に他の本も読んでいるが、一年間ひとつの小説を読んできて思うのはこの小説はいわば金太郎飴みたいなものということ。どこをとってみても同じようなことが書かれている。語り手の受けた印象や思考がその大半であり、物語の展開は二の次となっている。全部読んでも一冊目だけを読んでもこの小説に対する感想はあまり変わらないと思う。それでも全部読み終えたらもう一度読みたくなるだろうという予感がしている。