青木淳

東京国立近代美術館で「建築がうまれるとき ペーター・メルクルと青木淳」を見てきた。建築についてはほとんど知らないが、案を形にしていく過程、スケッチやノート、模型などが思考の論理的な流れを示していて面白かった。
カタログからの孫引き。

「毎日のように、いま考えていることを模型にして、それをじっと眺めて、果たしてこれはちゃんといい方向に成長していくのかどうか、それを自分の感覚に聞いてみる。スタッフと話し合う。論理からはじめることはない。目の前の模型を見て、いいと思うか、悪いと思うか。そういう感覚しか頼れるものはどこにもない。いいと思うとしたらなぜなのか。悪いと思うとしたらなぜなのか。それを考える。きっと、こういうことをいいと感じる判断が働いているので、これをいいと思うのではないか。ならば、こうしたらどうだろう。感覚をとりあえず論理に置き換える。感覚をかたちをつくる方法hに形式化する。それに従ってまた図面を描き模型をつくってみる。模型を眺める。論理の結果を感覚によって確かめる。その連続」