読書

『表徴の帝国』読了。面白かった。これまで「表徴、シーニュ」ということがよくわからなかったのだが、ここに書かれていることがその実践というかそのものだな、きっと。
解説もわかりやすくていい。気に入ったものをいくつか。

構造とは、したがって事物の≪模型(シミュラークル)≫であり、実体のない見せかけなのである。現実のなまの事物のなかでは見えなかったもの、読みとりえなかったもの、それが、なまの事物を模倣して造った事物によってはっきりと現われ出るようにさせる≪模型≫なのである。

構造主義的人間のおこなう芸術活動と思弁活動とは、現実の世界をそのまま印刷しようとするものではない。現実世界を模写しようとするのではなく、現実世界を読みとれるものとするために、現実世界に似たもう一つの世界をつくることなのである。

解説のこの箇所を読んで、写真仲間が撮ろうしているものがなんとなく見えたような気がした。そしてこの言葉は自分にも勇気を与えてくれる。